柔道整復
柔道整復術
柔道整復術は、骨折・打撲・捻挫・脱臼・挫傷(肉ばなれ)に対して施術を行ないます。
柔道整復術の方法は、「整復法」「固定法」「後療法」の3つに分類されます。
「整復法」は、脱臼し、ずれたり、外れたりした骨を
手で揉んだり伸ばしたりして元の状態に戻す方法です。
患部のみでなく、周囲の状態を把握し、施術します。
「固定法」は、脱臼や骨折した患部をギブスなどで固定して回復を図る方法です。
固定の仕方や使う材料は、患者に合わせて吟味します。
「後療法」は、患部の回復を早めるために様々な刺激を加えながら治療する方法です。
電機あてたり、温めたりする機械ですね。
柔道整復師
柔道整復を行うことができる日本の国家資格を持つ方をいいます。
医師が行う『医行為』は手術や投薬になりますが
柔道整復はあくまでも『医業類似行為』となります。
健康保険が適用されるのは
整形外科医が不足していた時代に
治療を受ける機会を確保するためという背景からきたものです。
養成校の急増にともない養成数が年間約7千人と明らかに過剰で
それに伴う教育内容の低下、就職困難、接骨院の乱立などが懸念されています。
受領委任払い
本来であれば「療養費の全額を自己負担」で支払ったのち
自分で健康保険に申請手続きを行うのが原則ですが
【療養費支給申請書】を提出することで保険請求を委任することができるので
その場で支払う料金は保険適用後の金額となります。
受領委任払いは保険者において
施術の内容や額等につき被保険者から確認することができないまま
施術者より請求がなされることから
不正請求や業務範囲を逸脱した施術を見逃す危険性が大きいといえます。
不正請求
日本の公的医療保険における柔道整復療養費について
不正に保険請求を行う行為です。
柔道整復における療養費の保険適用となる疾患は
急性又は亜急性の外傷性の打撲・捻挫および骨折・脱臼に限り
・肩こり、筋肉疲労による施術
・スポーツや部活動に伴う身体ケア
・症状の改善がみられない長期の施術(主に6ヶ月以上)は
保険適用対象外となります。
この対象外の不正請求や業務範囲を逸脱した請求が
行政指導を受けるのですが
特に大阪府において多かった時代がありました。
施術部位の偽造
施術箇所の偽造とは、本来施術していない箇所の保険を請求することです。
たとえば腰の痛みで来院した患者に対し
腰だけではなく肩や腕の施術を同時に行ったことにして請求します。
患者に対して合理的な説明もなく
施術の部位数を増やすと不正請求にあたります。
部位転がし
部位転がしとは施術部位を転々と変えながら保険の請求を続ける行為です。
柔道整復で同じ箇所の長期にわたる施術は保険が適用されないことから
請求する部位を変更しながら長期的に請求する事例がみられます。
たとえば、腰の症状で3ヵ月に渡り保険を請求したら
次は膝や肩に請求部位を変更して療養費を得ようとするのです。
来院日数の水増し
患者が来院していない日を来院したと偽って保険を請求することです。
たとえば月に10日しか来院していない患者を20日来院したことにして
不正に保険を請求するケースがあります。
柔道整復師以外の施術による請求
法律では整骨院で保険を適用できるのは
柔道整復師が担当した施術のみに限られます。
柔道整復師の資格を持っていない整体師や鍼灸師、学生に施術を担当させて
不正に保険を請求するケースがあります。
受傷理由の改ざん
慢性症状で来院した患者の受傷理由を
あたかも突発的な衝撃でケガしたように理由を偽って療養費を請求することです。
腰痛で来院した患者が「長時間のデスクワークで腰が痛くなった」などと
慢性症状につながる理由を伝えた場合に保険が適用されません。
「転倒して腰を痛めた」などと急性症状につながる虚偽の記載で
不正に保険を請求します。